【都市と文化】伊勢うどん、食べたいな。 051008

いつも、三重に行くとわがままを言って『おかげ横町』に行きます。いやね、あの町の雰囲気が好きなんですよね。
それだけではなくて、その先にある伊勢神宮内宮が主要な目的だったりするんですけどねw。
とはいえ、かならずここには寄ってはしゃいでから詣でる事にしてます。で、毎回の様に食べるのが『伊勢うどん』。
僕は、いつも『ふく助』で食べてる気がします。
違う店で食べてみても良いんだけど……。
という事で、『伊勢うどん』ってそもそも何なの?ってことを調べてみる事に。

ふくすけの店内ですが、もちろんレプリカとは思うのですが昔の「伊勢講」の看板がたくさん掲げられていて風情があります。

元はと言えば、これって普通にこの界隈の家庭料理だったみたいです。
お饂飩にかけていたのが、たまたま『溜豆油【たまり】』だったのが今のたまり醤油を使う由来みたいですね。
溜豆油というのは、和歌山の湯浅(醤油発祥の地と言われている地の一つ)で作っていた金山寺味噌の上澄み。
この話は、また別に書く事とします。
その昔、上澄みは捨ててたって言うんだから勿体ないよね。
僕は、たまり醤油が好きなのでなおさら。
まぁ、その湯浅からほど近い(まぁ車も無いからもの凄く近いとかではないけど)当時の大観光地『伊勢』はその醤油の大きな消費地の一つだったようで。
そんな中、伊勢界隈の各家庭で自家製の溜豆油を作る様になりそれを饂飩にかける様になる。
何となく、自然な流れの様に感じます。

そんな家庭料理だったこのお饂飩を浦田町(多分、現在の伊勢市宇治浦田町:猿田彦神社界隈)橋本屋七代目小倉小兵が大体360年前にうどん屋をやり始めたのが紀元だとか。
つーか、どのホムペにもそう書いてあるんだけど一番最初に書いたページが大体何年前に書かれたかによっては370年前かもねw。出来れば、正確な年代を知りたいな。
何となくだけど、2000年頃の情報だとして1640年くらい?
その頃のこの界隈のトピックと言えば、1650年に流行ったと言われる江戸商人による大神宮への抜参。
これも、一応おかげ参りなんだけど兎に角手形もなく許可も無くブッチギリでお参りに行くので『抜参【ぬけまいり】』。
なかなか、凄い感じだよね。でも、そう言うのなんだか好き。
徐々に、そう言うのでお伊勢さん界隈が賑わい始めたのを見てこの商売を始めたんでしょうね。

これは、2008年の写真なのですが伊勢おはらい町を太鼓の行列が練り歩く行事をやっていました。1992年におかげ横丁が開いてから、「神恩太鼓」という芸能が続いている関係もあり、内宮界隈では太鼓に絡むものが多く実施されている印象です。太鼓って、いいですよね!

時期によっては、一日2000人規模の参拝者があったと言いますので今みたいに何処でもここでも店がある訳ではない江戸時代にはたいそう繁盛したんだろうなぁって遠い目をしてみたり。
そうやって考えると、感慨深い食べ物ですね。
今も、橋本屋ってあるのかな?もう無いのかな?
現在の伊勢I.C.の近くの古市にあったと言われる『豆腐六【どぶろく】』ってお店も、相当美味しかった模様。
「大菩薩峠:間の山の巻」にも出てきます。
あ、この間の山というのが今の古市界隈でこの道は天正年間に参道として切り開いたみたいです。
いや、今食べても伊勢饂飩は美味いもんね。
ぬー、食べたくなって来たー!!

【追記】この当時、伊勢もまだ内宮周りが発展していくくらいだったのですが、最近は外宮界隈もすごく綺麗に整備され町らしい活気を取り戻しています。これは自然にというより、きちんと仕掛けがなされて送客がされた結果。僕個人で一番感心したのが、伊勢志摩サミットをトリガーとして集客を図るために伊勢市自らがGoogleに赴き紹介映像を各国語で作成したというのが始まり。2014年の「初TABI in 伊勢」も良かったのですが、それ以上に僕はGoogleとの協業がジャンプアップのトリガーになったのではないかと。この取り組みが始まる前の伊勢は、基本日本人しかいない場所だったのですが、このCP後は明らかに外国人観光客が増えています。もちろん、神聖な場所ですのでマナー問題で「うーん」と思うところもあるのですが、何より日本の有名観光地の一つとして「伊勢」が外国人にプロットされた功績はデカすぎるなと。このCPは、主にUKをターゲットに実施されたものなのですが、閉じた映像ではないため174万3578人が30秒以上視聴という驚異的な数字を叩き出しています(現在は、おそらく版権の問題もあり視聴不可:涙)。この視聴不可を避けるために、いかにしてアーカイブ化をしていくのかということも今後の課題かとは思います。その反省か、2018年にまた新しい映像をアップしています。いい形で、日本の伝統を形作ってきた地が再注目されることを祈るばかりです。来年のオリンピックまでに、どれだけこの辺を整備できるのかが鍵なんでしょうね!

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